コミュニティ専門家が教える、良いコミュニティの見分け方
こんにちは、ファンブックの伊藤です。
嬉しいことに、ここ数年でコミュニティの注目が急激に高まっています。色々なコミュニティが生まれていて、素晴らしいことだと思います。とはいえ、玉石混交であるとも言えます。適切な運営ができていないコミュニティや、悪しきコミュニティもありますので、見極めがとても大切です。「コミュニティって色々あってどこに入るのが良いのか迷っちゃう」、そんな風に悩んでいませんか?
そこで今回は、コミュニティの専門家として色々なコミュニティを研究している私の視点で、「良いコミュニティの見分け方」を紹介してみたいと思います。ぜひ、あなたに相応しいコミュニティを見極めて、あなたの仕事や人生にプラスにしていただけたら幸いです。
それでは、良いコミュニティを見極める3つのポイントを紹介しますので、チェックしてみてください。
(1)ビジョン、コンセプトに共感できるか
そのコミュニティのビジョンやコンセプトに共感できるか。まずはそれをチェックしましょう。
よくありがちなのが、「いくらで、何を提供してもらえるのか?」という思考。それを真っ先に考えてしまってませんか?それも大事ではありますが、コミュニティの価値というのは、それが本質ではないように思います。
だってそれって、コミュニティって言うより、ただのサービスじゃん?
コミュニティは、企業からサービスを受ける場ではないはずです。
旗印の元に、人々がパワーを持ち寄って集まり、一緒に何かをする場。それがコミュニティだと思います。
企業が価値を提供するのではなくて、皆で価値を持ち寄る場がコミュニティなのです。だから、どんな旗印を掲げているか?「私もその旗を一緒に掲げたいのか?」それがとても大切なのです。
(2)パワーの矢印を見極める
情報、人の協力、モノ、お金、これらがコミュニティに集まるパワーです。これらが、どこからどこへ向かっているか、どのような価値交換がそこで行われているかを見極めましょう。
綺麗事並べたり、煌びやかな餌をぶら下げて、コミュニティオーナーがパワーを搾取する構造になっているコミュニティもあります。人数が多くて大規模のように見えて、パワーの流通量がほとんどないコミュニティもあります。そこにどんなパワーが集まっていて、そのパワーがどのように使われているのかを、あなたの目で冷静に見極めてください。
例えば、私の運営する宇宙ビジネスの共創コミュニティ「ABLab」を例に挙げて説明します。ABLabは会費制で月額5,000円を集めています。そしてその集めたお金は、会員が主体的に取り組むプロジェクト活動へと費やされます。つまり、行動力のある人へとパワーを集める仕組みです。そして、全ての会員は各プロジェクトのプロセスを間近で見ることができますし、参加もできます。そこで発生する情報や知見を得ることができます。いざ自分が何かしようと思えば、協力も得られます。ABLabでは、皆でパワーを持ち寄りレバレッジの効いた活動へ繋げつつ、そこで生まれる新たな価値を皆で共有する設計にしているのです。他にも様々な工夫を随所に盛り込んでいるので、興味のある方はぜひ覗いてみてください。
コミュニティは、参加者からパワーを集めて活用する装置です。ビジョンやコンセプトで謳っていることが、装置としてちゃんと実装されているかどうか、矛盾がないかどうか、チェックしてみてください。
(3)どんな人がどんな目的で集まっているのか
コミュニティに参加して得られるものの一つとして、「人との繋がり」があります。言ってしまえば、「人脈」とか「仲間」です。
コミュニティにどんな人たちが集まっているかというのは、あなたが求める「人脈」「仲間」が得られるかどうかということに繋がりますので、めちゃくちゃ大事です。「人生を変えたければ、付き合う人を変えろ」って言葉がありますよね。コミュニティで得られる仲間や人脈は、本当にあなたに大きな影響を与えるものです。そのコミュニティにあなたの欲しい仲間はいますか?
どんな人が、どんな目的で集まっているコミュニティなのか、よく観察してみてください。
一つだけ落とし穴を紹介しておきましょう。「こんなにメリットあるのに無料」とか「誰でも歓迎」とか、やたら敷居の低さを謳うコミュニティは、集まる人のクオリティが低くなるので要注意です。人が絞り込まれていないコミュニティというのは、要は「薄い」のです。逆に、参加条件が厳しいコミュニティほど、それを乗り越えるだけの人が集まっていますので、人の価値も高い場合が多いです。
まとめ
この記事では、「良いコミュニティの見分け方」として、コミュニティを研究する私の視点から大切だと思うことを3つ紹介しました。
他者にとって良いコミュニティが、あなたにとっても良いコミュニティとは限りません。自分が欲しいものがそこにあるのかどうか、見極めてくださいね。
また、多くのコミュニティは半クローズドですから、一度中に入ってみないと実際のところがわかりづらいです。有料のコミュニティだったとしても、1,2ヶ月程度なら失敗の損失も少ないでしょう。あれこれ悩んで時間を無駄にするよりは、「勉強代」「自己投資」と割り切ってお試しで参加してみるのが良いと思います。
あなたも良いコミュニティと出会えますように。
投稿者プロフィール
-
1983年生まれのパラレルマーケター、そしてコミュニティデザイナー。
マーケティングやコミュニティデザインの方法論を研究開発する傍ら、自身では宇宙ビジネスの実践コミュニティ「ABLab」を主宰。人が動き出すコミュニティ創りを実践する。複数の企業をコミュニティとマーケティングで支援し、仕事の後はクラフトビールで乾杯したい。
最新の投稿
- 社長コラム2022年5月20日ファンブックのパーパス
- コミュニティ論2022年4月15日コミュニティのイベント企画における4つの型
- 社長コラム2021年10月2日38歳を迎えました
- コミュニティ論2021年9月2日コミュニティのビジネス価値は「SPACESモデル」で整理しよう